今月のことば (2019年1月) |
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少者懐之(しょうしゃかいし)
子(し)曰(のたま)わく、老者(ろうしゃ)は之(これ)を安(やす)んじ、朋友(ほうゆう)は之(これ)を信(しん)じ、少者(しょうしゃ)は之(これ)を懷(なつ)けん。
子曰、老者安之、朋友信之、少者懷之。
(公冶長第五、仮名論語六三頁)
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〔注釈〕先師が言われた。「老人の心を安らかにし、友達とは信(まこと)をもって交わり、若者には親しみ懐かれる人間でありたい」
新春を迎え、今年が和(にこ)やかで健(すこ)やかな年でありますようお祈り申し上げます。昨年中本会に賜りました御厚情に厚く御礼申し上げますと共に、本年も変わらぬ御指導御鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。
伊與田覺先生の三回忌にほど近い昨年十月、論語活学研修会を開催した。ご講演は、伊與田先生の小学校教諭時代の教え子を父にもつ、洋菓子の株式会社五感ホールディングス浅田義明社長にお願いした。当日は関西のみならず関東からも参加があり、正に「朋(とも)遠方(えんぽう)より來(きた)る有(あ)り、亦(また)樂(たの)しからずや」(学而篇、一頁)であった。一番若いと思われる聴講者に講演の感想を聞いてみた。「たのしいことやうれしいことは、いえるんだけど、わたしなら、ふかいはなしは、おもいついていなかったとおもいました。ありがとうございました」と答えた。小学校二年生である。
安岡正篤先生の「子供は幼稚でまだ能力が発達していないから、難しいことを教えるのは間違いなどと考えるのは、大きな罪悪であるといってよい」(『人物を修める』)の言葉を思い出した。日頃、我々大人は、子供たちにどのような話し方をしているだろう。まだ難しいだろうから、まだ分からないだろうからと安易な考えで、話す内容の質を落としていないだろうか。日本の明日を担う子供たちに「ふかいはなし」ができ、親しみ懐かれる人間でありたいものだ。
老いたるを なぐさめ友に 信つくせ 少(わか)き愛(め)でよと 夫子のたまふ
(見尾勝馬『和歌論語』)
会長 目黒 泰禪
論語活学研修会にて。左より谷井パナソニック元社長・岸本理事・浅田社長・池田副会長・筆者・野村大阪府菓子工業組合理事長・室屋副会長
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