今月のことば (2016年1月)
子曰わく、君子は坦かに蕩蕩たり。 小人は長えに戚戚たり。
子曰、君子坦蕩蕩。小人長戚戚。
(述而第七・仮名論語九七頁)
 
【注釈】孔子言う、君子はいつも平安でのびのびしている。小人はいつでもくよくよして落ち着きがない。

新年明けましてお芽出度うございます。 
 各位におかれましては、さぞや爽やかに佳き新年をお迎えのことと拝察いたします。ここに旧年中に賜りましたご厚情に深く感謝申し上げますと共に今年も何卒宜しくご鞭撻を賜りますよう一重に念じ上げます。
 凡そ論語を学びます我ら、その目指すものは右記の章に出てくる人格を具備すべく精進する者と申して過言ではありますまい。ともすれば日常の煩瑣に捉われ、己を見失う日々を送ってしまいがちでありますが、"吾日に吾が身を三省す"とありますごとく、常に来し方、行く末に思いを馳せ、一歩一歩堅実に日を送りたいものであります。そうあってこそはじめて揺るぎなき日々の歩みを進め得るでありましょう。それには出来るだけ己を虚しゅうして(少なくとも寡欲にして)より広い目で、より根本的に萬物を観、処して行かねばなりません。
 益々グローバル化し、多様化し変化の早い世相に対処するには、より一層己を持し事の本質、真実、善悪に対する的確な判断力が求められます。

論語普及会会長 村下 好伴

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