今月のことば (2014年1月)
子曰わく、徳は孤ならず 必ず隣有り
(里仁第四・仮名論語四六頁)
〔注釈〕人に知られようが知られまいが、只ひたすら陰徳を積み行う者は決して孤独ではない。必ずこれを知る者が居り、共鳴者が居るものだ。

皇紀二千六百七十四年
平成二十六年元旦
 明けましておめでとうございます。
 昨年は本会にとりまして、六月十五日「全国論語教室交流会」(論語寺子屋サミット)を開催、全国各地の論語勉強会・塾の主催者たちにお集まりいただき、朝鮮の百済の地から、王仁博士によって論語がはじめて我が国にもたらされた浪速の地において盛大な交流会を実施し得ましたことは、洵に歴史的な慶事でございまして、これ一重に世を憂い、ひそかに後生に深い思いを寄せられる会員をはじめとした諸賢の熱い情熱の結集の賜と、心よりお慶びと感謝の念を禁じ得ぬ者であります。
 思い返しますれば、四半世紀前、それまで日本人が経験したことのない世相の紫乱、目を覆いたくなる凶悪犯罪の続出に、いったいこの国はどうなるのか?と深憂を覚え、何とかせねばとの強い思いから、やがて「文王無しと雖も猶興る」同憂の士が相集うて結成されたのが本会でありました。発足当初は「任重くして道遠く、死して後に已まん」の志により己を鼓舞しつつ
歩んで参りましたが、今や全国に斯道の集会が見られるようになり、洵に心強いかぎりであります。
 昨年は日本精神の根拠地、伊勢神宮が二十年に一度の御遷宮、出雲の六十年毎の御修遷が成され、白木日に輝く新宮が建立されました。安倍首相は戦後レジームの払拭を唱えられましたが、振り返ってその提唱が時節がら洵に相応しいものであったと、改めて感を深うする者であります。まだまだ戦後の残滓はそこごこに散見されますが、清く明るく望み大きく、仁以て己が任と為し、悪びれずひるまず、人知れざる陰徳を積んで行きたいものであります。
今年も宜敷く御願い奉ります。

論語普及会会長 村下 好伴

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