今月のことば (2013年5月)
子曰わく、政を爲すに を以てすれば、譬えば
北辰其の所に居りて、衆生之に共うが如し。 (為政第二)
子曰、爲政以 、譬如北辰居其所而衆生共之。
(爲政第二 仮名論語十一頁)


〔注釈〕政治を執り行うのに、自らを正し、民を思いやる仁の心を以てすれば、たとえば北極星が動かずにじっとして居て、他の諸惑星がその德を慕い集まってくるようなものだ。

(德)の字を分析すると、目をたてると直+心+彳=行うで、素直な心を行じる、を表わしている。
 第二次安倍政権が発足して、これまでまるで〝漂流する日本丸?の感がしていたが、漸く日本人の日本人による日本のための政治進路が見えてきたようだ。二本柱として経済再生、教育再生を掲げたが、経済再生はともかくとして、戦後の、一体どこの国の教育なのか、これで将来の日本を担う人材が養えるのかと、ずっと訝り続けてきたが、「教育再生実行会議」が立ち上り、道 の教科化、教育委員会の抜本的見直し等に期待がかかる。そしてなにより敗戦という悲惨な経験から自信を喪失し、占領政策と相俟って生じた自虐感横溢の国史教育をば、早急に改正し萬世一系の天皇を戴いた、世界に比類無き国に生を受けたことを誇りに思い喜びを感じられる歴史觀に戻すことが急務である。
 日本人は今、神代時代からの歴史を否定し疑問視する向きが多いが、このことはつまり神代時代としか言いようのないほど古くから続いている国だからだと。四面海に囲まれ、海が防波堤となってあまり他国と直接争うことなく、この国が守られてきた。これがどこか一箇所でも大陸と陸続きな所が有れば、こんな歴史では済まなかった筈だ。単一の民族がこのような自然の要害に守られ、神としか言いようのない祖先から続く皇室が を以て治しめし、国民は北辰を仰ぐが如く慕い共い、続いてきたのである。

論語普及会会長 村下 好伴

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