今月のことば (2012年10月) |
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祭ること在すが如くし、神を祭ること神在すが如くす。
祭如在、祭神如神在。(八佾第三) |
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終戦六十七年目の秋。九月八日~九日の両日、島根・松江の道友小谷氏の主催される「めだか論語普及会」(旧めだか論語塾)からお招きを受け、当地の君子諸兄と楽しい一夜を共にさせて頂く機会を賜った。宍道湖の畔で唯一湖に浮かぶ嫁ヶ島をまん前に眺める絶景の部屋に泊めていただき、日本海へと沈みゆく夕日、伯耆大山を中心に居並ぶいなばの山々から昇り来る天照らすおほみ神さまを拝し、神話の國の神の子として至福のひと刻を満喫
させていただいた。
之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は之を楽しむ者に如かず。そして之を楽しむ者は之に遊ぶ者に如かず。
今年はあたかも「古事記」編纂千参百年の節目にあたり、来年は六十年に一度の出雲大社のお建て替も終り、神在月には全国の神々が当地に集われ、さぞ賑々しいお祭の年となるであろう。
「めだか論語普及会」の名について小谷さんは、単に子供たちの集う〝めだかの学校"という意味に止まらず、自然環境に最も敏感なのはめだかであり、環境が汚染されていち早く消え逝くのはめだかであり、めだかこそ清濁のバロメーターである。ということから、先ず人の心の穢れを論語の普及によって祓い清める意味を込めて命名されたとのこと。「必ずや名を正さんか」で、その深意になるほどと納得させられ感銘を受けた次第であった。
又当会に於ても、去る九月十七日の先哲祭には「古事記伝」の著者で文の道から惟神の不朽の国体を闡明された本居宣長を、境内を埋める道人参列者と厳粛に奉祭し、伊與田先生から「論語と本居宣長」、又常任理事の野 眞夫氏からは「本居先生と古事記一三〇〇年」と題して講話を賜り、改めて天子御自ら日夜天壌無窮の国体と、民の平安を祈り込めて下さることの有難さを噛みしめたのであった。
神こそは野をも山をもつくりおけ
人に誠の道をふめとて (二宮尊徳)
神人を守り、人神を守る (安岡正篤)
俺の恋人誰かとおもふ
神のつくりし日本国 (徳富蘇峰)
論語普及会会長 村下 好伴 |
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