今月のことば (2010年8月)
子曰わく、人にして信無くんば、其の可なるを知らざるなり。(為政第二)

〔注釈〕人として信義の無いものは、どうにもならない。社会生活は営めない。
国民の不信、ここまで

七月十一日の参議院選挙では、政局が大きく変貌し、自民党への回帰現象が起き、与野党勢力の逆転、衆参再びねじれ国会となった。選挙戦前後のマスコミの予測、政治家の論戦を見ていると、与野党共に消費税を主とした目先の経済問題ばかりに終始し、五十年百年後の国家ビジョンは一向に聞くことが出来なかった。これでも国会議員と言えようか、寂しい限りである。一応衆議院での民主党の巨大権力の暴走に対するチェック機能とはなり得たが、まだまだ気を許せない。この十ヶ月の動きを見て国民も民主党の体質が見えて来たはず、マニフェストには一切掲げずに、国家の存亡に関わる『外国人地方参政権付与』や、只でさえ離婚が増加しておる時、家族の絆を断つのを助長するような『夫婦別姓』などの諸悪法を密かに提出の時期を虎視眈々と狙っている。これらは公表すれば大多数の国民からノーと云われることが分かっているからだろう。まるで東洋兵法の多方を以って誤らせよう、詐ろうと画策しているようである。

昨年の衆議院選挙では自民党の余りの無定見な政治に愛想をつかし、一度替えてみてやれと左右雑居政党で実体の掴めぬ民主党を誕生させてしまったが、なんと予想以上に左翼色の強い政党たることが判明した。

過去の日本には見られなかった人心の荒廃堕落、目も当てられぬような凶悪犯罪の増加・低年齢化、社会風俗の紊乱等、心ある国民は一体この国はどうなるのだろうか、何処へ行くのか、なんとかしなければ、なんとかしてほしい、と危機感を募らせている。その現れは当会でも顕著に出てきている。子を持つ母親たちが、なんとかまともな子に育てたいとの思いからであろう、問い合わせや塾紹介の依頼などが増えてきており切実な思いが伝わる。こんな国にしてしまった諸原因はいろいろ有るが、その責任はなんと云っても戦後を生き抜いてきたわれら高齢者であり、その反省のもとに顧みて最大の原因は、何といっても、日教組を先頭に進歩的な文化人と称する欧米輸入のイデオロギーにかぶれた学者たちが推進した、子供たちに日本に生まれた自信と誇りを失わせてしまった自虐史観教育であった。そしてその歪んだ教育に毒されて育った者たちが今の政治家たちなのだ。根は深い。畏れ多くも昭和天皇は日本の精神的完全復興には三百年はかかるだろうと仰せになったとのこと。元日教組や労組や全学連の幹部が多数居り、大臣も務めており、こんな政権を誕生させてしまった現状を見る限り、天皇のご宸襟は当たっているように思える。

もうすぐ八月十五日、現総理は靖国神社へは近隣諸国へ配慮して、就任早々不参拝を宣言した。戦争に敗れたりとは云え、「靖国で会おう」と誓い合って国のために散って逝った我らの先祖に、こんなむごい仕打ちをして何とも思わぬのか。本当の復興は、堂々と参拝する首相が現れてこそ達せられる 。

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