今月のことば (2010年7月)
子曰わく、鳳鳥至らず、河、圖を出さず。吾已んぬるかな。(子罕第九)

〔注釈〕鳳鳥も河圖も出ないこの日本を救う名宰相やいずこ。
天災・地変・人妖

昭和三十四年の伊勢湾台風は中部地方に甚大な被害を齎し、神宮の境内も多くの大木がなぎ倒される惨状を呈した。

先師安岡先生はこの大天災に深く憂いを抱かれ、戦後日増しに募る人心の荒廃、世情の頽廃は正に人妖であり、相俟っておこった天の啓示と受け取られて、翌年から始められたのが『世直し祈願伊勢萬燈行大会』である。先師亡き後もご遺志を体し毎年続けてきたこの行事も今年で五十回の節目を迎え、去る五月十五日・十六日の両日、御子息安岡正泰先生のご来駕を得て、先生を先頭に参拝し熱祷を捧げることが出来、また伊勢修養団道場において父を憶う熱いご講話を拝聴し、ご生存中の往時を偲ぶ縁となった。

五十年を振り返って、先師の悲願に対し微かなりともお応えし得たか?否々、残念乍ら世情は日を追うて悪化し、今や国家滅亡の危機が叫ばれるまでに至っている。真の日本精神の復興を誓いながら我ら何を為せしやと、洵に慙愧に耐えぬ。

地変では、阪神淡路大震災、二度の新潟地震。人妖に至っては、大都市や学校内での無差別殺人事件や、親子兄弟骨肉の殺し合い、そしてオウム真理教のサリン事件など、且っての日本では想像もつかない修羅を現出している。人妖は今や国会内にまで浸透し、外国人参政権付与や、夫婦別姓を提起しようとする議員や大臣が現れた。日本は無数の小島からなる群島国であり、島々は過疎化が進み、もし外国人に地方参政権を与え、過剰人口を抱える外国人が意図的に入島して来たら忽ち外国の島と化してしまうであろう。参政権が欲しければ日本に忠誠を誓い、帰化するべきである。曖昧な定住者ほど危険な者はない。それらに手を貸すような法案を提出しようとするのは人妖以外の何者でもない。また夫婦別姓推進者であるが、これも日本人がこれまでどうして東洋の国々に先がけて発展し、この小さい島国を守り続けて来れたか。その最大のエネルギー源がいずこに有るかを考えてみよ。日本人はこれまでほぼ単一民族であり、天皇家を大宅とし、人民はそこから分家したのであり、国家開闢以来君と民が共通の先祖を持つ一大家族国家なのである。大和と称する所以であり、祖先神崇拝は神道に基づく、故にどんな小さい島にもお宮が祀られている。これが日本民族の他に無い活力源なのだ。いざとなると家族的団結心で計り知れぬエネルギーを発する。アメリカが恐れたのもここである。この民族的特徴を鑑みる時、夫婦別姓など論外であり、もっともっと国の特徴を活かし、家族の絆をより堅固にしようと計ってこそ日本の政治ではないか。

こんな異質の人種を生み育てたのは誰か、他ならぬ戦後を生き、高齢化社会に碌々とする我ら老人である。匹夫も責あり、生ある限りこの罪償わねば子孫に対し申し訳が立たぬ。

萬燈行に参加し、参拝者の多きに驚いた。昨年の伊勢神宮参拝者は七百九十万を超ゆると言われる。毎年全国の神社への正月の初詣者は八千万とも九千万とも言われる。元旦に近くの鎮守の森を六ヶ所廻ったがいずれも大賑わいであった。民族のDNAは脈々として息づいている。この民族精神を逆撫でするような少数の異端者、政治家はもう要らぬ。この国を守るために散華された方々を祖先を祀るのと同じ神道でお祭りする靖国神社へ堂々とお参りする真の日本の宰相が出なければ、永遠にまともな独立国とはなり得ない。

日本人の日本人による日本のための政治を取り戻さねばならぬ。

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