今月のことば (2010年2月)
子曰わく、如し周公の才の美有りとも、驕且つ吝ならしめば、其の餘は観るに足らざるのみ。(泰伯第八)

〔注釈〕孔子言う、もし周公ほどの完全な美しい才能が有っても、人に対して誇り驕慢で、人の長所をも認めようとしないような者は、その他のいかなる美徳を持ち合わせていても、もはや見るに足らない。
爲政者よ 謙譲たれ

首相と幹事長の不孫

昨年十二月、中国国家副首席の習近平氏が来日した。その際官房長官を通じ宮内庁へ、天皇陛下とのご会見を要請してきた。宮内庁では余りの急に「ご会見は不可能」と回答したが、平野官房長官は「これは政府官邸のお願い、総理の指示」と再参に亘り強要し、「特例ご会見」を承認させてしまった。

陛下が外国賓客とお会いになるには、先ず陛下のご健康に配慮し慎重に日程を選び且つ陛下はどこの国の賓客に対しても予め彼を知りこれを知り、より和やかにご引見なさるために準備をされるそうで、そのために「いずれの場合も一ヶ月以前に文書で申請する」ことになっているのだそうだ。その所謂「一ヶ月ルール」を強引に破らせてしまったのである。首相は「一ヶ月ルールは存じ上げていたが、一ヶ月を数日切れば杓子定規に駄目と言って、果して諸外国と国際親善の意味で正しいのか」と放言した。

羽毛田宮内庁長官が「二度とこんなことがあっては困る」と苦衷を述べられたのに対し、小沢幹事長は「辞めてから言え」と暴言を吐いた。そして並いる記者団に「憲法を読んでいるか」と恫喝しておいて、アメリカ製の現日本国憲法の文言を引用し、それを盾に「天皇陛下の行為は国民が選んだ内閣の助言と承認で行う」との下りを暗誦した。これは「天皇の全ては私たちが管理する」と公言したようなものである。一瞬弓削の道鏡を想起した。又こうも述べた「天皇陛下の体調が優れないと言うならば、それよりも優位性の低い行事はお休みになればいいことじゃないですか」と。この発言は明らかに大国中国を意識しての差別発言と受け取れる。

天皇陛下は全世界のどんな弱少国であろうと、一切別け隔てなく尊敬の念をもってお会いになられ、むしろ大国に苦しめられた国ほど仁心もってお会いになる。

天皇は祈りの存在であり、父母のようなみ心で民の安寧と繁栄を願い、日夜激務を押して只管祈りこめておられる。そのことを国民の大部分はよく感得しており、その天徳御実践に尊敬の念を抱き、お慕いしているのである。そのような国民感情を逆撫でするような不敬な所業であり、民主党幹部連の人間性資質を見る思いがした。

日本いずくに行くや

三百八議席の強大な権力を握り、天皇陛下まで自分の政治に利用してしまう傲岸不遜な爲政者達に任せてしまった日本丸。この上次の参議院選に勝利するようなことが有れば、もうこの驕りは歯止がかからなくなるのではないか。

独裁政治に走らぬようひたすら神に祈るばかりである。

"実るほど首を垂れる稲穂かな"

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