今月のことば (2008年1月)
子曰わく、甚だしきかな、吾が衰えたるや。久しきかな、吾復夢に周公を見ず。(述而 第七)
皇紀二千六百六十八年
平成二十年 元旦
お目出とうございます


皇紀二千六百六十八年・平成二十年の新春洵にお芽出度うございます。

 −元旦や一系の天子不二の山−     鳴 雪

いったい一君主が二千六百年以上も治しめす国が世界中のどこに在りましょうか。いや天地開闢依頼日本は日本国で在り続けているのです。皇室のご先祖は天地初めて發りしより次々に生れましし神々なのであります。
このような悠久の歴史を有する国に生を受けてこそ、年のはじめに国の始まり、天地根元の肇に思いを致すこともできるのでありましょう。

 −元朝や神代のことも思はるる−    守 武

しかもこれだけ古い国がそのまま凝り固まることなく、まるで冬枯れの木が春に芽吹き新まるように常に進歩発展し已まない国柄なのであります。このことはあの二十年に一度惜しげもなくお建て替えになる伊勢神宮式年遷宮の御儀式に端的に象徴されているように思われるのであります。この清新の気已まざる民族固有の精神的源泉こそ森羅万象を八百萬の神として崇める『神道』に在りましょう。

地球は今や大気汚染、水の汚濁、温暖化、果ては人口衛生破壊による宇宙まで汚して凡ゆる生命を脅かす穢汚のルツボと化しつつあります。しかるに世界のリーダーを自認する大国は、自国の目先の利益保持に汲汲とし、世界中が集まって地球環境改善の方策を話し合い、その会議で決めた「京都議定書」なるものも受け入れようとしません。こんな現状に鑑みて思い出されるのは、且つて来日した際に延べたアインシュタインのことばです。大方はご存じでしょうが敢て記してみましょう。

「日本発見の驚きと神への感謝」
近代日本の発達ほど世界を驚かしたものはない。その驚異的発展には他の国と違った何ものかがなくてはならない。果たせるかなこの国の歴史にはそれがあった。この長い歴史を通じて一系の天皇を戴いてきたという比類なき国体を有することが、それこそ今日の日本をあらしめた。私は世界のどこかに一ヶ所ぐらい、このように尊い国がなくてはならぬと考えてきた。なざならば、世界は幾度か戦争を繰り返して来たが、最後にはその闘争にも疲れる時はくるであろう。
この時人類は必ず平和を求めて世界の盟主を挙げねばならぬ時が来る。その世界の盟主は、−武力でも、権力でも、金力でもない−あらゆる国の歴史を超越した世界の最も古く、かつ尊い家柄でなくてはならない。その時世界は結局、アジアの高峰、日本に立ち戻らねばならない。我々は、神が我々人類に、「日本」という国を作ってくれたことを感謝する。

孔子も論語に「故きを温ねて新しきを知る、以て師と為るべし」と延べていますように、宇宙の真理を感得した達人の言は軌を一にしております。只、今日の日本民族は果たしてこのような先人の言に恥じざる品格を備えているでしょうか。残念ながら戦後の日本人はどうもそれに値しないように思えてなりません。何事にも模倣好きな性癖を持つ日本人が、己の輝かしい歴史を古くさいものと排斥し、徒に西欧の物質文明を追い求めすぎた結果でしょう。
もうこの辺で元来民族の具有している世界に誇るべき特質に目覚め、世界から畏敬の念で見られていた我らの先祖を辱めることなく、いつでもどこの国の人が来ても自身を持って応待できる君子人、君子国に立ち返る時です。
論語には君子を語った章が九十ヶ所も有ります。今年も大いに論語を学び、論語で我づくり、君子人づくりに励もうではありませんか。

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